1.骨盤臓器脱
骨盤内の臓器(子宮、膀胱、直腸など)が膣から下がってくる疾患です。症状は陰部不快感、違和感、下垂感があります。膀胱が下がると頻尿、失禁といった症状もでます。
【治療】
(1)⇒骨盤底筋体操
(2)⇒排尿、排便のトラブルに対する内服薬
(3)⇒ペッサリー自己着脱
(4)手術(膣式子宮全摘術、TVM手術など)
2.腹圧性尿失禁
腹圧がかかると(咳、くしゃみ、走るなど)尿が漏れてしまう疾患です。
【治療】
(1)⇒骨盤底筋体操
(2)⇒内服薬
(3)⇒手術(TVT,TOT)
3.過活動膀胱、切迫性尿失禁
“尿の回数が多い”“急にオシッコがしたくなりトイレまで間にあわない”“水道で手を洗うともれる”といった症状がある方は過活動膀胱かもしれません。
実際に間に合わずにもれてしまうことを切迫性尿失禁といいます。
【治療】
(1)⇒骨盤底筋体操
(2)⇒内服薬
4.間質性膀胱炎
間質性膀胱炎の症状は、頻尿や残尿感、排尿後の痛みや不快感など、細菌性の膀胱炎とよく似ています。しかし、細菌感染が原因でおこるわけではありません。今のところ、はっきりとした原因は分かっていませんが、間質が炎症を起こし、膀胱の筋肉が萎縮してしまい、膀胱が膨らまず、正常時の半分以下の量の尿しか溜めることができません。また、尿が膀胱に貯まってくると炎症があるため、痛みが出てきます。間質性膀胱炎の症状は、抗生物質を服用し続けても症状が改善されない、1日のトイレの回数が20~50回以上、尿が少しでも溜まると下腹部が痛むなどがあります。間質性膀胱炎の診断には、膀胱鏡で、膀胱の内部を診る必要があります。
【治療】
(1)⇒食事、生活習慣改善
(2)⇒内服治療
(3)⇒手術(膀胱水圧拡張術)
5.泌尿器科領域の疾患
(1)⇒膀胱癌、腎癌などの悪性腫瘍
(2)⇒感染症(クラミジア、カンジダ、淋病、トリコモナス、ヘルペス等)
(3)⇒尿管結石
(4)⇒排尿障害
上記の診療も行っております。
6.婦人科領域の疾患
(1)⇒子宮がん検診
(2)⇒月経不順(無月経、不正出血等)
(3)⇒月経困難症・月経前症候群(PMS)
(4)⇒感染症(クラミジア、カンジダ、淋病、トリコモナス、ヘルペス等)
(5)⇒子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣嚢腫・更年期障害
(6)⇒骨粗鬆症
(7)⇒子宮頚癌ワクチン
上記の診療も行っております。
※産科の診察は行っていません。
※妊娠の可能性があり、反応が陽性の方は産科施設をご受診ください。
7.GMS(閉経関連尿路生殖器症候群)
GSM(閉経関連尿路生殖器症候群)とは女性ホルモンが低下したことによりおこる様々な症状です。具体的には、陰部の不快感、痛み、かゆみ、頻尿、尿漏れ、性交痛などの症状があげられます。当院ではGSMに対する様々な治療を行っております。
【治療】
(1)⇒女性ホルモン補充療法:局所、全所
(2)⇒潤滑ゼリー、保湿ゼリー
(3)⇒レーザー治療:炭酸ガスレーザー、ヤグレーザー、HIFU
(4)⇒DHEA
(5)⇒SERM:選択的エストロゲン受容体調整役
(6)⇒男性ホルモン補充
(7)⇒骨盤底筋トレーニング
8.女性性機能障害
性欲がわかない、性交痛がある、オーガズムを感じないなどで悩まれている方に対し、治療を行っております。
9.骨盤底筋体操・マイオトラック
膣、肛門の周囲の筋肉を収縮させる体操です。
膣を頭のほうに引き上げるように行います。
骨盤底筋体操指導を開始しました。
マンツーマンで専任看護師がその人にあった方法で指導します。
1回 (20-30分) 3300円(税込)
【マイオトラック】
骨盤底筋や腹筋の筋電図が測定できる器械です。
骨盤底筋や腹筋の筋電図を測定することにより、腹圧をかけないように骨盤底筋を鍛えるトレーニングができます。
内服薬
当院では西洋薬と漢方薬と両方で患者様に応じた治療を行っております。
切迫性尿失禁、過活動膀胱に対しては抗コリン剤、漢方薬などで対応します。
腹圧性尿失禁に対しては、スピロペント、漢方薬などで対応します。
間質性膀胱炎に対しては、抗コリン剤、抗アレルギー剤、漢方薬などで対応します。
ペッサリー自己着脱
ペッサリー自己着脱指導を行っております。
ペッサリーは膣内にいれるリングですが、入れっぱなしですと、膣壁の炎症を引き起こし、出血や帯下の増加の原因となったりしますが、この自己着脱法はその合併症をおこさずにすみます。
手術
当クリニックでは、岡山労災病院・岡山中央病院と連携して手術を行っております。
入院手術が必要な患者様は、岡山労災病院または岡山中央病院へ入院して頂き、当院の井上が手術を施行します。他院での入院、手術ご希望の方はご希望の病院に紹介もしております。
骨盤臓器脱手術
岡山労災病院は、骨盤臓器脱に対して、2006年に中四国地方で一早くメッシュを用いたTVM手術(子宮温存が可能)を導入し、現在までに約400件TVM手術を施行しております。これは従来法(膣式子宮全摘)より、再発がすくなく、合併症もほとんどありません。子宮全摘後の骨盤臓器脱(膣脱)の方も手術可能です。また、TVMが不適当、もしくは、子宮温存を希望されない場合などは従来の膣式子宮全摘術、膣壁形成術を選択することも可能です。
腹圧性尿失禁手術
腹圧性尿失禁についてはTVT,TOTといった手術をおこなっております。
この手術は短期入院で施行可能で、合併症もすくなく、ほぼ100%失禁がなくなります。
膀胱水圧拡張術
間質性膀胱炎に対しては、診断と治療をかねて、膀胱水圧拡張術を行っております。
麻酔下に膀胱に生理食塩水をいれて、膀胱を拡張させることにより、症状が改善されます。
漢方内科
西洋医学と東洋医学の両方の観点から診察していきます。
体の不調があっても、西洋医学的に異常がない場合には、東洋医学的に診察し、体のバランス(血・気・水)を整えていきます。病院で『異常ないです』といわれたけど、症状が改善しないという方は一度、漢方治療を試してみて下さい。
なお、当クリニックでは保険診療内で治療させていただいておりますので、ご安心ください。